■特徴と効果
教育に質問の技法を用いるやり方は、洋の東西を問わず、大変古くから行われてきました。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、相手に質問を投げかけ、相手と問答を繰り返すことによって、相手が自分で正しい概念や法則に到達できるように援助し、このようなやり方を「産婆術」と名付けました。
東洋でも、禅宗などでは、子弟の問答によって教義の理解を深めるというやり方が重要な手段とされてきました。
このような質問法(あるいは問答法)というやり方は、受講者に何かを教え込むというやり方ではなく、受講者が自分で考えて自分で答を見つけ出すように導いていくというやり方で、現代の「発見学習(ディスカバリー・ラーニング、またはヒューリスティック・メソッド)」の源流ともいうべきものです。
つまり、この技法の特徴は、受講者が自分で考えて自分で回答を発見していくという点にあり、これによって受講者が主体的に問題解決に取り組んでいく態度や能力を養成することが期待できることになります。
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