■その他
ロール・プレイングの原型は「サイコドラマ(心理劇)」とされています。サイコドラマは、オーストリア出身のアメリカの精神科医ジェイコブ(ヤコブ)・モレノが1930年頃に創始した集団心理療法の一種です。神経症や心身症、分裂病などの患者に対して、ある対人的な課題解決を必要とするような即興劇(台本のないドラマ)をグループの中で演じさせます。その演技を通して、患者は自己の心の問題(心理的な葛藤、情緒的な煩悶など)を情動的に表現・表出し、即興的に自発性や創造性を発揮して、困難な課題を克服していけるように導いていくものです。
このような“治療”のやり方を“教育訓練”に応用したものが「ロール・プレイング」です。
■モレノ (J.L.Moreno : 1892-1974)
ルーマニア生まれのアメリカの精神病理学者で、サイコドラマ(心理劇)の創始者。
文学、演劇などに関心をもっていたが、1917年ウィーン大学で医学の学位をとる。その間フロイトの講義に出席する。フロイトのように夢を分析的に解釈するのでなく、夢を舞台の上で行為的に再現する手段として筋書きのない上で自発的な即興劇を試みた。これがのちにサイコドラマとよばれるものとなる。
サイコドラマでもっとも一般化した技術はロール・プレイングであるが、これは彼の役割理論、自発性理論に基づいている。
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■サイコドラマ (Psycho drama)
アメリカの精神病医モレノ(J.L.Moreno : 1892-1974)が考え出した集団心理療法の一種であり、グループ・セラピー(集団療法)の先駆をなしている。
同じような神経症の患者を集めて、ある題の劇を演じさせ、このなかで自然に心の内部が表現されるようにすること。
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