■進め方
目指す到達点を明確に知っていれば、適切な質問をすることで、その到達点に会話を導くことができることを示します。たとえ無関係な答えであってもそれを受け入れ、到達点に近づくための別の質問のきっかけとして、その答えを利用します。
- 受講者1名を選ぶ。
- 選ばれた受講者1名にハートのエースを見せる。
- 次々に質問をする。
- 最終的にハートのエースにたどりつく。
[講師と受講者との対話例]
クラスの中から選ばれた受講者1名にハートのエースを見せます。
講師Q. 「これは何ですか?」
受講者A.「ハートのエースです。」
講師 「そうです。これからあなたに、最後にハートのエースと答えてもらうように質問します。」
Q. 「それでは質問をはじめてもよろしいですか?」
Q. 「トランプは全部で何枚ありますか?」
A. 「52枚あります。」
Q. 「何種類のカードがありますか?」
A. 「4種類です。」
Q. 「色は何種類ありますか?」
A. 「2色です。」
Q. 「それは何色と何色ですか?」
A. 「赤と黒です。」
Q. 「黒のカードは何ですか?」
A. 「クラブとスペードです。」
Q. 「赤のカードは何ですか?」
A. 「ダイヤとハートです。」
Q. 「さて、ダイヤとハートのうち、どちらかひとつを選んでください。」
A. 「ハート。」
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[もしダイヤを選んだなら、「はい。それでは残ったのは何ですか?」と質問します。]
Q. 「ハートのカード13枚のうち、最も弱いカード3枚は何になりますか?」
A. 「2、3、4です。」
Q. 「最も強い3枚のカードは何ですか?」
A. 「クイーン、キング、エースです。」
Q. 「この3枚のうちどれか1枚を選んでください。」
A. 「エース。」
[もしキングを選んだら、「はい。では残りは何ですか?」というように、「エース」と答えるまで続けます。]
Q. 「何のエースですか?」
A. 「ハートのエースです。」
Q. 「その通り、ハートのエースです。」
自分が言いたいこと(到達点)を自分の口から言うのではなく、相手に言わせることによって、納得の度合いは高くなります。例えば、相手のニーズ/課題の発見、問題点の合意などに応用すると効果的です。 |
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