教材名 パソコンを用いた経営分析
教材名2
教材ID 107
教材作成者名 志村 修一
教材作成日 1996-12-19
改訂情報 テキスト1版3刷
ジャンル名 高度教材
分野名 その他
業種名 製造業全般
職務名 経営分析
職務構成名 経営分析技法
区分名 教材
職業名 管理的職業すべて
 パソコンを用いた経営分析指導案


【使用教材、資材一覧】

パソコン、OS(Windows95)、
表計算ソフト(Lotus1-2-3、Eexcel)、テキスト及びFD

【訓練事前準備項目】

1.パソコンの立ち上げ(OS及び表計算ソフト)
2.参考図書の付属FDのファイルの読み込み
3.フォーマットされたFDの配布(作業用)
4.受講者名簿(出席、合否の記入用)
5.アンケート
6.入り口の案内
7.修了証
【訓練項目と訓練経過時間】

第1章 ビジュアル経営分析
  1.  貸借対照表と損益計算書                  3H
  2.  財務構造分析                       3H
  3.  経営指標の評価                      3H
第2章 損益分岐点の分析
  1.  損益分岐点シミュレーション                3H
  2.  費用分解                         3H
第3章 ビジュアルフォーム
  1.  ABC分析                        3H
  2.  プロダクト・ポートフォリオ・マネンジメント(PPM)   3H
  3.  売上高の分析①(Zチャート)               1H
  4.  売上高の分析②(最小二乗法)               0.5H
  5.  売上高の分析③(移動平均法)               0.5H
  6.  総資本経営利益率                     0.5H
  7.  絵グラフ                         0.5H
B>【指導展開法】

第一日

準備 ①パソコン ②参考図書(FD) ③作業用FD
10:00 はじめに
 ・挨拶
 ・自己紹介
 ・受講生の職場の確認
 ・パソコンの取り扱い経験がどれくらいあるか聞く。
 ・諸注意
 ・教材の確認
 ・コース内容:スケジュールの説明
10:30 ガイダンス、表計算ソフトについて
ビジュアル経営分析の構成概念
<指導上のポイント>
「本当に収益性が高いのか」「支払いの能力はどうか」「生産性はよいのか」などが企業における経営分析の基礎です。貸借対照表や損益計算などの決算書等の数字の表から読みこなすことが必要です。
しかし、データの量が多く構造が複雑で数字の比較からの判断はなかなか難しいものです。
本セミナーでは、パソコンの表計算ソフトを用いたグラフというビジュアル化の手法を用い、経営の問題点を視覚的に理解する助けとしてくれます。視覚による直感的な理解は、データの読み違いや見落としを防ぎ、迅速な経営判断の可能性を示しています。
また、プレゼンテーションにおいても、絶大な効果を発揮するものとして利用ができます。さらに、数値を入れ替えたり将来の期待する数値を入力することにより、シミュレーション的な利用も可能ならしめています。
11:00 貸借対照表とは
損益計算書とは
<指導上のポイント>
経営分析には財務諸表のデータが必要です。その内貸借対照表(バランスシートB/S)と損益計算書(プロフィットアンドロスステイトメントP/L)の実数のみだけでなく、構成比や前期比伸び率などの情報を得ることができます。また、これらをグラフ化することにより判断しやすくなります。ここでは、貸借対照表のグラフ化では、左右(資産の部と負債・資本の部)のバランスがよくわかるので、財政状態の変化を発見しやすくなります。
・貸借対照表:現在の企業の資金の調達と運用の方法、財政状態が
 わかります。また、過去3期からの変化を見ることにより、今期の
 計画変更または来期計画の作成の一助となります。また、後出の
 経営指標を判断するときにも利用できます。判断のポイントには、
 下のようなものがある。
①流動資産>流動負債。
②固定資産<自己資本または固定資産<自己資本+固定負債。
③②が改善に向かっているか。
④流動資産>流動負債×2または流動資産>流動負債×1.3
 他にも様々な経営指標の元データとなるものがあります。
・損益計算書:やはり左右(左に費用=売上原価+販売費及び一般管理
 費+営業外費用と利益=経常利益、右に収益=売上高)のバランス
 大切です。いくつかのデータより、二日目の様々な経営指標が計算
 されます。
12:00~13:00 休憩(昼食)
13:00 貸借対照表と損益計算書のシートについて(KEIEI.WK4)
<指導上のポイント>
新聞等に発表された決算資料や受講生の企業の決算書からデータを
入力し、経営分析の演習を行う。
15:00 財務構造分析のシートについて(KEIEI.WK4)
17:00  


第二日
10:00 経営指標とは
・収益性を示す経営指標
・効率性を示す経営指標
・安全性を示す経営指標
・生産性を示す経営指標
<指導上のポイント>
貸借対照表及び損益計算書から各種の経営指標を計算する。
①収益性(売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率、
 総資本経常利益率、自己資本経常利益率、経営資本営業利益率)
②効率性(総資本回転率、経営資本回転率、棚卸資本回転率、
 固定資産回転率)
③安全性(自己資本比率、流動比率、当座比率、固定比率、
 固定長期比率)
④生産性(1人当り売上高、1人当り売上総利益、1人当り
 経常利益、労働生産性、労働装備率、労働分配率)
 これらの指標と参考指標(業界におけるものや自社の推移)との
 比較(参考指標比、前期指標比)により経営分析を行う能力を付与
 する。さらに、グラフ化を行い理解を助ける。
11:00 経営指標のシートについて(KEIEI.WK4)
・経営指標の分析① 当期評価の見方
・経営指標の分析② 相対評価で指標を判断する
12:00~13:00 休憩(昼食)
13:00 新しい期の入力とその評価(演習)
14:00 損益分岐点分析の構成
<指導上のポイント>
パソコンを用いないで作成する損益分岐点図表は、その重要性がわかっていても、作業の大変さから様々な状況で何枚も書くことをしないものです。
表計算ソフトを用いた表とグラフの連動をさせることにより、現在の損益分岐点を様々な状況に応じて、売上高、固定費、変 動費の組み合わせを変化させ、損益分岐点の移動をビジュアルにみることが可能となり、収益の予測が可能となります。
前出の経営指標は業界の他社と比較することにより、経営分析ができましたが、損益分岐点は自社の経営状況を分析するための助けとなります。
14:30 損益分岐点の計算手法
<指導上のポイント> 

目標利益達成に    固定費+目標利益
   必要な売上高=───────────の予測を行い、
            限界利益率

次のようなケースで利用することができます。
 ①賃上げを吸収し必要利益を確保する売上高を求める。
 ②設備投資による償却率を吸収する売上高を求める。
 ③競争激化で利益率が低下した時の売上高を求める。
15:00 損益分岐点シミュレーション(SONNEKI.WK4)
<指導上のポイント>
表計算ソフトの機能により、複雑な計算を自動化し、ボタンマクロによる金額の増減が可能であり、リアルタイムでグラフも変化するので、様々な状況におけるシミュレーションが可能です。
これにより、経営計画の策定に応用できます。
17:00  


第三日
10:00 損益分岐点シミュレーション(SONNEKI.WK4)(続き)
活用事例 
 ・収益の予測
 ・目標利益達成に必要な売上高を求める
 ・固定費の操作
 ・変動率の引き下げ
11:00 費用分解(総費用=固定費+変動費)(BUNNKAI.WK4)
 ・個別分解法
 ・算術的分解法
 ・最小二乗法
<指導上のポイント>
損益分岐点分析における総費用の固定費と変動費の分解は、難しいものですが、その状況(外部分析または内部分析)に応じて、より詳しい分解方法が採用されます。
内部分析では個別分解法により、かなり性格に求められます。
12:00~13:00 休憩(昼食)
13:00 ビジュアルフォームのアウトライン説明
13:30 ABC分析について
14:00 ABC分析(ABC.WK4)フォームの作成(演習)
        <指導上のポイント>
商品・在庫・地域・不良原因などをA・B・Cランクに分け、パレート図を用いて、重点的に重点管理すべき対象を把握するものです。
この分析は、一時的なものですので、定期的にデータを更新し、最新の情報を把握する必要があります。
17:00  


第四日
10:00 プロダクト
 ・ポートフォリオ・マネンジメント(PPMATRIX.WK4)
 ・花形商品(Stars)
 ・金のなる木(Cash COWS)
 ・問題児(Question Marks)
 ・負け犬(Dogs)
<指導上のポイント>
これは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のPPMを商品の将来性を確認するために利用しています。
これは、縦軸に市場成長率を横軸に相対的な市場シェアを対数目盛でとります。
このグラフも役に立つものですが、手書きでは時間がかかるため表計算ソフトを用い有効な利用へと続けることができます。
12:00~13:00 休憩(昼食)
13:00 売上高の分析①(Zチャート)(ZCHART.WK4)
<指導上のポイント>
月別売上高線と売上高累計線だけではわからない季節変動型の商品の製造や販売している企業や部署での売上高移動年計の傾きにより、業績の順調度が一目で分かるようになります。
この3種類のグラフがZの形をしているのでZチャートいいます。
14:00 売上高の分析②(最小二乗法)(SAISHO.WK4)
<指導上のポイント>
売上高が直線的に増加しているときの将来予測に用います。
しかし、売上のばらつきが激しかったり、曲線的な増加を呈している場合は、利用できません。
14:30 売上高の分析③(移動平均法)(MOVEAVG.WK4)
移動平均について
<指導上のポイント>
売上高の平均期間を1日、3日、1週間、1ヶ月の移動平均をとると、期間が長くなると平滑化され、全体的傾向を表しています。
15:00 総資本経営利益率(SHUEKI.WK4)
<指導上のポイント>
収益性の指標で用いられた総資本経営利益率の内容は、売上高経常 利益率と総資本回転率の積と見て、縦軸に売上高経常利益率を、横軸に総資本回転率をとり、その交点が総資本経営利益率を示しています。
総資本経営利益率を高めるには、どのような数値を組み合わせたかが、重要です。
15:30 絵グラフ(PICTURE.WK4)
<指導上のポイント>
グラフを絵の積み重ねで表現したものである。
16:30 まとめ、質疑応答アンケート

修了証
17:00  

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