教材名 建築物における地震応答解析技術
教材名2
教材ID 178
教材作成者名 藤村 悦生; 的野 博訓; 遠藤龍司
教材作成日 1998-08-31
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 居住系
業種名 建築設計サービス業
職務名 構造設計
職務構成名 応力解析法、各種構造計算の応用
区分名 教材
職業名 建築技術者
 ■教材情報データシート


【記入者】

藤村悦生 所属:高度職業能力開発促進センター


【教材のねらい】

日本をはじめとする地震国において、建築・土木構造物を設計する場合に耐震設計は不可欠な技術となっている。

現在の耐震設計の方法は、中規模程度の地震を想定し、これによる外力を静的な水平力にモデル化することにより、一次設計もしくは二次設計と呼ばれる設計手法に基づき行われている。一次設計はいわゆる弾性設計であり、構造物の弾性挙動において、構造物に生じる応力度が、材料によって定められた許容応力度内におさまるように部材断面が算定されている。このため、弾性設計は許容応力度設計とも言われている。これに対し、二次設計は構造物の変形挙動が弾性範囲を超えた、塑性変形をも考慮した設計法である。従って二次設計は、構造物のねばりに期待することにより、大規模な地震に対しても構造物が倒壊することがないよう考えらた設計法と言える。このような設計法は過去の地震による建物の被害状況を教訓にして提案された耐震 設計法であり、新耐震設計法と呼ばれている。

先にも記したように、設計に用いられる地震外力は一般に静的な水平力におきかえられる。しかし、地震により構造物が振動することは誰もが経験している事実である。すなわち、地震による外力は、本来時間とともに変化する動的な力となって構造物に入力する。振動解析とは、このような動的外力を構造物へ直接理論的もしくは実験的に入力し、振動応答を解析しようとする方法である。振動解析は従来比較的高層建築や大規模構造物を中心に行われてきたが、阪神淡路大震災を経験してからは、中規模な構造物や木造建築物の設計においても試みられるようになっている。

本セミナーでは振動解析の手法を習得する上で重要な質点系の振動について解説し、実用的な応答計算の方法を学習することにより、先端的構造設計技術を習得する。


【内容】

本セミナーでは振動解析の手法を習得する上で重要な質点系の振動について解説し、自由振動や振動シミュレーションの手法を述べる。さらに、これらの手法が実際の現象を記述していることを確認するための実験として、まず、オリジナルソフトを用い、振動現象をさまざまな切り口から視覚的に示すとともに、実地震波を用いてシミュレーションを行うことにする。従来より振動実験は高価で大がかりな装置を必要としていた。しかし、本セミナーに付属のビデオでは、簡易な振動装置と構造モデルを用い、自由振動および加振実験を行うことにより構造物の振動の特性を確認する実験が収録されている。その結果と、先の振動解析から得られた値と比較し手法の有効性について示す。最後に、設計等にも用いることができる振動解析ソ フトによる実用的な応答計算の方法を学習することにより、先端的構造設計技術を習得する。
  1. 地震と被害
  2. (1)地震
    (2)被害
    (3)地震波
    (4)地震波の解析
  3. 構造物の振動
  4. (1)構造物のモデル化と振動方程式
    (2)構造物の自由振動
       1.一質点系モデル
       2.二質点系モデル
       3.多質点系モデル
  5.  
  6. 構造物の強制振動
  7. (1)一質点系の強制振動
    (2)ランダム加振による応答
    (3)数値積分
  8. 構造物の強制振動
  9. (1)一質点系の強制振動
    (2)ランダム加振による応答
    (3)数値積分
  10. 振動シミュレーション
  11. スペクトル解析
  12. モーダル解析
  13. (1)固有ベクトルの直交性
    (2)地震応答のモーダル解析
    (3)簡便な応答解析
  14. 減衰マトリックス実験
  15. (1)比例減衰マトリックス
  16. 地盤と構造物の連成振動
  17. (1)地盤と構造物の連成振動とは
    (2)スウェイ・ロッキング振動
  18. 弾塑性応答(非線型応答)
  19. (1)弾塑性応答とは
    (2)荷重変位曲線と仕事
    (3)非線型復元力
    (4)増分運動方程式


【作者名】

藤村悦生 所属:高度職業能力開発促進センター
的野博訓 所属:高度職業能力開発促進センター
遠藤龍司 所属:職業能力開発大学校


【教材作成年月日】

平成10年8月31日


【セミナー時間数】

24時間


【体系図での位置】

業種名:建築設計サービス業、総合建設業等
職 務:構造設計
職務構成名:応力解析法、各種構造計算の応用


【レベル表示】

先端


【セミナー対象者】

建築技術者、構造解析技術者


【教材形態】

1.開発形態:指導員が開発
2.セミナーの実施形態:技能技術習得型
3.教材の種類::自作テキスト、自作ソフト
4.補助教材:
5.教材開発ツール:一太郎Ver8R1、Visual Basic Ver5.0


【引用文献】

建築振動理論 大崎 順彦著 影国社

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