教材名 ウェーヴレット解析1(理論編)
教材名2
教材ID 199
教材作成者名 小谷 博志
教材作成日 1998-11-16
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 情報・通信系
業種名 コンピュータ制御機器製造業
職務名 コンピュータシステム
職務構成名 コンピュータ情報処理
区分名 教材
職業名 システムエンジニア
指導案
  1. 使用教材

    「3訓練実施場所と設備機器」を参照

  1. 訓練事前準備項目
    1. テキスト

      教科書、自作テキスト

    1. 受講者名簿
    2. アンケート
  1. 訓練項目と訓練経過時間

【1日目】 

9:00 はじめに

  • 挨拶
  • 自己紹介
  • テキスト、教材などの確認
  • コース内容、日程の説明

9:30 (自前テキスト第1章) ウェーヴレットの概要

  • 学習のポイントの指示
  • ウェーヴレットについての導入
  • 信号解析への応用例などの提示(OHPなど)

10:00 ウェーヴレットとは何か

午前中は理論の説明を中心に

  • 教科書P2の図1.1などを提示しウェーブレットについて概略の説明
  • ウェーブレット(連続)の作り方。伸縮・平行移動について教科書P2の図1.2やP5の図1.6などを示し、その方法と意味を説明する。
  • 連続ウェーヴレット変換による時間周波数解析。 フーリエ解析などとの違いを踏まえ、丁寧に説明。
  • 不確定性について。教科書P9の図1.11を示し、時間周波数解析において本質的に不確定性が現れることを示す。

12:00 昼食

13:00

午後はMathematicaによるプログラミングで実習中心。

演習1でウェーブレットの作り方を理解する。

  • 与えられた関数を定義し、プロットする。
  • (3)はNIntegrateを用い、積分区間は必ずしも、無限区間でなくても、グラフの収束状況を見て決める。例えば(-10~10)。
    • マザー・ウェーヴレットの64という数字や、xを2x、3xなどに変えた場合はどうなるか時間があればやってみる。 

13:30

演習2でウェーブレットの伸縮と平行移動を理解する。

  • 演習1で定義したマザー・ウェーヴレットを用いて、新たに,b,aを変数とするウェーヴレットを定義し、a、bの値を変えプロットする。また、その図を同一画面に並べ、伸縮と平行移動の様子をみる。

15:00

演習3で連続ウェーヴレット変換による時間周波数解析を理解する。

  • (1)(2)において、積分変換における情報収集の意味を理解する。(教科書P5~6)
  • (3)については信号とウェーヴレットの積(b,aを変数として含む)をNIntegrateでxについて積分し、それをb,aについてPlot3D又は、ContourPlotで表示する。

16:00

演習4で不確定性関係の問題を理解する。

  • 教科書P9の図1.11 の上図の左からsinxに窓(a)、(b)、(c)を掛けた図である。左から右に向かって時間幅げ狭くなっている。それとともに周波数の特定が困難になっている。
  • 下の図は周波数の特定が困難になっている様子をフーリエ変換により示している。
  • これにより時間と周波数を同時に特定できないという不確定性を理解する。

(定義式をそのままフーリエ積分すると時間がかかるので、離散データをつくり、離散フーリエ変換する。)

17:30

1日目についての質疑応答。 

18:00終了   

【2日目】
(自前テキスト第2章) 離散ウェーヴレット変換

午前中は2章の理論を中心に学習。

9:00 前回の復習。質疑応答。

9:30 不確定性と離散ウェーブレット変換について教科書P11などを示し、離散化の方法と、その意味を説明。

10:30 多重解像度解析について教科書P13~P15などでその仕組みと意味について説明。

11:00 信号の分解・再構成

教科書P13~P16,P49~P51などを示し、信号の分解・再構成の方法と、意味について説明。

12:00 昼食

13:00 演習1により、不確定性関係を理解し、離散化された時間周波数窓とそれぞれの窓での信号とウェーヴレットの相関の強さを調べる。

  • (1)教科書P12の図1.13において一番下の間隔を1秒間隔とするとその上は1/2秒、その上は1/4秒間隔となる。各窓の面積は2だから、周波数幅は上から半分ずつになる。
  • (2)教科書P11の(1.7)式に代入する。ウェ-ヴレットは1章で定義した関数を用いる。

15:00

演習2により基底関数を理解する。

  • これはそれぞれの線形結合をつくり、恒等式とし係数が0であることを示す。

15:30

演習3は教科書のように代入してみる。それより多重解像度解析を理解する。

  • 教科書P38~P39を参考。

16:00

(自前テキスト第3章) Haar基底による離散ウェーヴレット変換 

学習のポイントを説明

教科書P30~P35を示し、Haarのウェーヴレットなどについて説明。

演習1を通して、Haarの基底関数によるトゥー・スケール関係や伸縮・平行移動そして、コンパ

クト・サポートの意味を理解する。

  • (1)は教科書の(2.5)、(2.9)式を用いて関数を定義し、プロットする。
  • (2)、(3)では(1)を元にb,aを変数とする関数を定義しb,aの値を代入する。

18:00終了

【3日目】

9:00 前回の復習。質疑応答。

9:30 教科書P38のHaar基底を用いてトゥー・スケール関係の説明など。

10:30 演習2を通して直交基底関数のトゥー・スケール関係などを理解する。

  • ここではHaar基底が直交性やトゥー・スケール関係などを満たしている最も簡単な場合であることを理解する。

12:00 昼食

13:00 演習3により直交基底の概念を理解する。

  • (1)についてはHaar基底を変数b,aで再定義し、b,aの値を変えて、線形結合をつくり、調べる。
  • (2)で定義したHaar基底のb、aの値を変えた関数をP56の(4.3)、(4.4)、(4.5)式で調べる。

14:00 演習4によりHaar基底の微分不可能点の存在による問題点を理解する。

  • Haar基底を直接フーリエ変換し、それをプロットすることで周波数領域ですそが広がっている様子がわかる。このとき、フーリエ変換の結果が複素数で得られるのでプロットするときは絶対値をとる。

15:00 演習5 データを分解アルゴリズムで分解し、その仕組みを理解する。

  • (1)は第1章で与えた信号の c(j、k)を積分で定義する。
  • (2)(3)(4)それをHaarのスケーリング関数を用いて、それぞれのレベルの信号をスケーリング関数で表し、プロットする。
  • (5)(6)(7)はウェーヴレットで信号を展開する。 
  • 演習6も演習5と同様であるが、初めのデータが離散データであることに注意する。

17:30 質疑応答。

18:00 終了

【4日目】

(自前テキスト第4章) 直交ウェーヴレット

9:00 前回の復習。質疑応答。

9:30 Daubechiesのウェーヴレットについて特徴や構成法について説明。

P56~P65及びP116~P134を示し、直交ウェーヴレットの構成方法や、その意味を説明。

11:00 演習1は3章に類似の問題がある。

演習2 Daubechies 2の場合について、そのトゥー・スケール数列を求める。

  • Daubechies2において、そのトゥー・スケール数列を求めるには教科書P56~P57にある(4.1)~(4.8)式をP58~P60の(4.9)~(4.17)式で表し、この方程式を解く。これは不定方程式であるが、ここでは一組の解として、(4.18)を得る。

12:00 昼食

13:00 演習2の続き。

15:00 演習3によりDaubechies2をプロットする。

  • 演習2で求めたトゥー・スケール数列からスケーリング関数の整数点での値を(4.12)式から求める。
  • 教科書P45の(3.10)式より半整数点を求める。これを繰り返す。
  • 5,6回繰り返し、得られた点をプロットすると、Daubechies2の図が得られる。
  • ウェーヴレットについても同様である。

17:30 質疑応答

18:00 終了

【5日目】

9:00 前回の復習。質疑応答。

9:30 演習4により分解数列を求め、信号を分解する。

  • (1)でトゥー・スケール数列より、分解数列を求める。
  • (2)分解アルゴリズムにより、信号を離散畳み込みによるダウンサンプリングする。
  • (3)でそれをプロットする。

12:00 昼食

13:00 (自前テキスト第5章) カーディナルBスプライン

特徴や理論などについて説明。特に、Daubechiesの場合との違い、長所、短所を理解させる。

P68~P76、P96~P114,P136~P153で自前テキストに示す部分を中心に構成方法とその意味について説明。

教科書ではBスプラインに関しては多くの章を費やしているが、時間の関係でここではできるだけコンパクトにまとめた。演習をこなせば本質的な部分は理解できるはずである。

  • Bスプラインはガウス関数と似ているが、トゥー・スケール関係を満たし、それ故多重解像度解析ができ、また、それのフーリエ変換もコンパクトであることを理解する。

16:00 演習1 によりカーディナルBスプラインの特徴などを理解する。

  • (1)教科書P138~P139にある式を定義し、プロットする。
  • (2)N=2の場合には教科書P70~P71にある。ここでは(1)で定義した関数とそれを平行移動した関数が(4.3)式を満たさないことを示す。

【6日目】

9:00 前回の復習。質疑応答。

9:30 演習2において、2、3,4階のBスプラインを構成する。

Bスプラインの構成法は難しいので自前テキストにまとめた箇所を教科書とよく照らし合わせて進めること。

  • (1)自前テキスト 5.3  m 階Bスプラインの12より求める。
  • (2)トゥー・スケール数列を定義式より求める。
  • (3)同様にm階Bウェーヴレットを定義し、プロットする。

12:00 昼食

13:00 演習3

Bスプラインによる補間公式を構成し、例の関数を補間公式で定義し、それをプロットし、もとの関数と同一座標にプロットし、比較する。

14:30 演習4

P153のオイラー方程式を教科書の方法で解く。

(注)Cardanoの公式で r の式に負符号をつける。(印刷ミスか)

16:00 演習5 (9.50)式より、分解数列を求める。

(注)H(z)の総和がk=-2n-7から2n+3まで。(印刷ミスか)

17:30 質疑応答。

18:00 終了

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