教材名 メカトロニクスのためのモータ制御回路
教材名2
教材ID 225
教材作成者名 青柳 文隆; 高橋 昭吾
教材作成日 1998-11-20
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 電気・電子系
業種名 電気・電子部品製造業
職務名 自動化技術、電子回路設計
職務構成名 制御技術
区分名 教材
職業名 電気技術者
指導案

 

〔使用教材・資材一覧〕

 教材:

    DCモータ駆動実習装置(補助教材写真図1)

    トライアックを用いた位相制御回路(補助教材写真図2)

    マイコンによるステッピングモータ駆動装置(補助教材写真図3)

    自作テキスト

 

〔訓練事前準備事項〕

1.テキスト

2.受講者名簿

3.OHPシート

4.自作教材(補助教材写真図1~3)に電源、モータ、オシロスコープを接続しておく。

 

〔訓練項目と経過時間および指導展開法〕

【1日目】

 9:10  はじめに

 ●あいさつ

 ●講師自己紹介

 ●出席者確認

 ●諸注意

 ●テキスト、教材の確認

 ●コース内容、全日程の説明

使用機器、部品、テキストを提示し、全日程について説明する。実習を通して何を身

につけ確認するのかなど、本セミナーの目的とするところを説明する。

 

 ●受講レベルの確認

 メカトロニクス構成要素の基礎知識および電子制御機器の取り扱い経験について尋

ねる。

 

 ●自己啓発プログラムの説明、用紙記入の依頼

 

 9:30  メカトロニクスと電子回路(動機付け)

 ●電子回路とモータ制御のかかわり

 自作のDCモータ駆動実習装置(補助教材写真図1)を提示し、モータ制御回路を構

成する電子部品やそれらの働きなどを簡単に説明する。さらにオシロスコープの波形

から、どのような原理でモータが制御されているのかについてもふれておく。

 

 次に位相制御回路(補助教材写真図2)を提示する。回路に白熱電球を接続して調光

することにより、電気的なスイッチで電力制御が可能なことを実感させる。あわせ

 て出力波形もオシロスコープで見せる。

 

 どちらの教材にも半導体素子のスイッチング作用が応用されていることを説明し、そ

れらが回路内で受け持つ役割を理解させる。また、半導体のスイッチング作用が機械

の自動化や知能化を担っていることを認識させる。

 

 メカトロニクスの分野では電気的な信号を扱うことから、コンピュータを用いた制御

と相性がよいことを説明し、マイコンでステッピングモータを駆動してみせる。

(補助教材写真図3)

 

 10:20  休憩

 

 10:40  DCモータの特徴と駆動方法

 ●DCモータの構造、動作原理、諸特性

 分解した実際のDCモータを提示し、構成要素を確認してもらう。DCモータは機械

的な接点(ブラシと整流子)を持つことから、整流時のスパークや回転時の騒音、寿

命などの問題点についてあげる。(テキスト図1.1~図1.3)

 

 ●速度制御の方法

 テキスト図1.3の特性曲線よりモータ回転数の可変方法について考えさせる。

 

 ●使用するモータ、電子部品、器工具について

 ブレッドボードの内部結線状態について詳しく説明し、使用法を理解させる。ブレッ

ドボードについては、結線状態を把握していないと配線の要領がつかめないため細か

く指導する必要がある。オシロスコープについてもプローブの扱い方、各種調整つま

みの操作方法などを巡回して指導する。

 

 12:00  昼食休憩

 

 13:00  DCモータの速度制御実習

 ●抵抗制御法とパルス制御法および両者の比較討

実習をまじえて説明する。

 電力変換効率について簡単な例をあげ、両者を比較検討する。(図1.4~1.8)

 ●PWM制御について

 オペアンプの特性も含め、もっとも基本的な三角波比較方式によるPWM制御につい

て説明する。(図1.9)

 

 14:20  休憩

 

 14:40  DCモータの正・逆転および速度制御

 ●正・逆転および速度制御回路の製作実習

 ディスクリートで回路を組むことにより基本動作原理を確認させる。(図1.10)

 その他の駆動回路の特徴についても説明する。(図1.11)

 

 ●専用ICの説明および使い方

ディスクリートでも回路は組めるが回路規模が大きくなるなどの理由から、実際には

専用ICを用いて回路設計を行う。また、多種多様な専用ICが存在するが、それら

の有用性についても説明する。

 

 ●動作確認

 図1.13の回路を組むことにより動作の確認を行う。

 

 15:50  1日目終了

 

【2日目】

 9:10   インダクションモータの特徴と駆動方法

 ●インダクションモータの構造、動作原理、諸特性

 動作原理の説明でアラゴの円板を提示し、磁石とアルミの円板によって実際に動作を

確認してもらう。また、DCモータとの構造の違いについて両者を比較させる。

(図2.1~図2.3)

 

 ●使用するモータの説明

(図2.4~図2.5)

 

 ●速度制御の方法

同期速度について図2.2を用いて説明し、理論式から考えられる速度制御方法をあげ

てもらう。また、その他の方法についても説明する。

 ●位相制御について

 位相制御でも速度制御が可能であるが、モータのすべりが変化し出力が著しく低下す

ることを説明する。その対策として、インバータが普及していることも付け加えてお

く。(図2.6~図2.8)

 

 10:20  休憩

 

 10:40  位相制御の方法

 ●トライアック、ダイアックの回路図記号と電気的特性(図2.9~図2.10)

 ●ダイアックの動作確認(図2.11)

 ●トライアックを用いた位相制御回路の製作実習(図2.12)

 ダイアックやトライアックを扱った経験のある受講者は少ないため、その特性につい

ても詳しく説明する。

 

 ●オシロスコープによる動作確認

 この実習では、回路への供給電源としてAC100Vを使用することから特に安全面

に注意をはらう。

 

 12:00  昼食休憩

 

 13:00  位相制御回路の続き

 ●白熱電球とモータで動作の確認

 

13:45  ディジタル信号によるON・OFF制御

 ●フォトカプラの使い方

 ●ディジタルICの取り扱いについて

 ●動作確認(図2.14)

 フォトカプラを使用することにより、低圧側の制御信号とAC100Vの交流回路を

電気的に分離可能であることを強調し、そのメリットについて説明する。

 

 14:20  休憩

 

 14:40  インダクションモータの正・逆転制御

 ●SSRの使い方

 電磁リレーとの相違点をあげ、その特長を説明する。(図2.15~図2.16)

 ●使用するICについて(図2.18~2.19)

 ●正・逆転制御回路の製作実習

 ●動作確認(図2.17、表2.1)

 

 15:50  2日目終了

 

【3日目】

 9:10  ステッピングモータの特徴と駆動方法

 ●ステッピングモータの構造、動作原理、諸特性(図3.1~図3.3)

 ●駆動方法

 ステッピングモータについては、なじみの薄い受講者もいることから駆動方法や制御

方法については詳しく説明する。開ループで位置決め制御が可能なことを強調する。

 (図3.4)

 ●使用するモータの説明(図3.5)

 

 10:20  休憩

 

 10:40  ステッピングモータの基本駆動回路と励磁方式

 ●励磁方式の説明(図3.7)

 それぞれの励磁方式の特徴についてふれ、その善し悪しについて比較検討する。

 

 ●D-FFを用いた2相励磁信号回路の製作

 励磁信号についてはオシロスコープで確認してもらい、そのタイミングについて理解

させる。(図3.8~3.9)

  

 12:00  昼食休憩

 

 13:00  基本駆動回路および専用ICの説明

 ●2相励磁信号による駆動(図3.6)

 ●動作確認

 ●専用ICの説明(PMM8713の概要説明)

 

 14:20  休憩

 

 14:40  専用ICによる駆動

 ●タイマICの使い方(555の使用方法)

 ●専用ICによる正・逆転および速度制御回路の製作実習

 ●動作確認(図3.10)

 ここでも専用ICの有用性についてふれ、コンピュータによる多彩な制御も容易にな

ることを説明する。

 

 15:40  まとめ

 ●質疑応答

 ●修了証授与

 

 15:50  セミナー終了

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