教材名 FAセンサー活用技術
教材名2
教材ID 23
教材作成者名 坂本 卓也; 小浪 真也
教材作成日 1997-03-31
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 電気・電子系
業種名 配電制御システム製造業
職務名 防災計装設備設計
職務構成名 センサ技術応用
区分名 教材
職業名 建築技術者
 FAセンサー活用技術指導案



訓練項目と訓練経過時間
教科の科目 指導内容 教材等 時間
センサの概要 検出部-制御部-操作部
・2極化
a 検出機能に重点をおく検出器
b スイッチ機能に重点をおく検出器
P1-4 0.5
  ・接触形
リミットスイッチ、マイクロスイッチ、その他接触形検出器
S2  
  ・非接触形
近接スイッチ、光電スイッチ、超音波スイッチ、その他の非接触形検出器
S3  
  ・検出器の検出媒体による種類
・検出器の分類例
センシング対象別(長さ等)
用途別
原理による分類
デバイスによる分類 → 確定していない

・一般的に使われているものとしては、リミットスイッチ、マイクロスイッチ、光電センサ、近接センサ
・光電センサ センサ的機能を備える、光技術の進展で伸び
・近接センサ 耐環境性良好、扱いやすい
・マイクロスイッチ、リミットスイッチ 低価格、簡便
本コースでは近接センサ、光電センサの取り扱いを中心にFA現場で使用されるセンサの取り扱いについて説明する
S4、表1  
近接センサの取扱い 近接センサの種類
高周波発振形、静電容量形、磁気形、等
P77-106 0.5
  1)高周波発振形
金属体の検出(磁性金属感度良好)→透磁率に影響
応答速度良好
吸引力、反発力の影響なし
小型化可能
耐環境性大
安価


2)静電容量形
電界検出、誘電体検出可→誘電率、導電率に影響(水油×)
物体の表面状態に無縁
非金属内の検出可能
S5 0.5
  (1)センサスイッチの動作原理イメージ
・高周波発振形センサスイッチの動作原理
検出距離
材質、大きさ、厚さにより検出距離は変化する振幅検出と周波数検出
金属体とアルミニウム検出の際に使用される技術
S6
S7

S8
1.0
  ・静電容量形センサスイッチの動作原理
(2)カタログの見方(使用環境・特性・接続法など)
・センサのセンサ部形状
・検出コイルの種類
・センサの構成
・負荷接続
・検出距離(垂直方向)
・検出距離(水平方向)
・応答速度
・応答周波数
・その他の特性
検出物体の大きさ
検出物体の厚さ
漏れ電流(AC)
周囲温度(高周波発振形注意)
S9
S10
P79-表3.1
P78-P80
P78
P8-P9 S11
S12
S13
S14
S15
S16
1.0
  (3)センサスイッチの用途と選定
・動作距離
・出力形式
・周囲金属の影響、相互干渉
P85-P86
P103-P104
P84
0.5
  (4)検知方法
・検出物体の寸法と材質
P86-P87
P104-P106
 
光電センサの取扱い 光電センサの種類
透過形、回帰反射形、拡散反射形、光ファイバ形
検出対象に制約が無い
検出距離が長い
検出エリアを規制しやすい
色の濃淡の検出可
光を曲げて検出可
レンズの汚れに弱い
強い周囲照度の影響あり
S17
P107-108
0.5
  (1)センサスイッチのイメージ
透過形
レンズ有効径の80%で検知
スリット、フィルタは外乱光防止用
検出距離大
原則100%受光、0%受光
回帰反射形
投受光の交わりを少なくして(10°)検出物体からの直接反射による誤動作を防止
鏡面体検知機能がある遮光検知リフレクタが無くなると拡散反射形と同じになる
拡散反射形 死角がある 入光検知 検出物体の面とセンサの基準軸を直交させる 光ファイバをつかったものと同様の検知方法
P128-131
S20
S21
0.5
  (2)カタログの見方(使用環境・特性・接続法など)
・光電センサの構成
・検出距離(垂直)
・検出距離(水平)
・負荷接続
・動作
・使用周囲照度
・開閉頻度
・光学系
・施行角と光軸
・感度調整
S22
S23
S24
P110
P116
P113
P111
P111-112
S25
S26
S27

0.7
  (3)センサスイッチの用途と選定
・センサの選定
P116-118

0.3
  (4)検知方法
・設置方法
・相互干渉
・鏡面体検出
透過形
入光、遮光時の光量の差(指向角)を利用することも可能
P116-118
P118-123
S28、S29
S30
S31、S32
1.0
リニアセンサの利用方法 (1)リニアセンサの概要
・近接センサの例による出力信号の変化
・連続量→不連続量(A/D変換)
サンプリング
・接続機器
S33
S34
S35
0.5
  (2)PC高機能ユニットとの接続
・接続方法
・センサ検出速度と処理速度
・プリセット、ゲイン
・処理条件
PCマニュアル参照
1.0
実習 以下の実習については、環境による誤動作を防止する必要がある

壁面や周囲機器との距離、周辺に金属体がないことなど
(1)光電センサによる光軸合わせ
(2)近接スイッチによる金属、非金属選別
(3)光電、近接スイッチによる位置検出と材料選別
(4)光電、近接スイッチ、変位センサによる材料選別と厚さ
(5)事例紹介


J1
J2
J3
J4
カタログ


0.3
0.5
1.0
1.0
0.2
センサのインテリジェント化 (センサ素子のインテリジェント化
・センサ素子自体の機能を複合化した新しいデバイスの事例
(2)センシングのインテリジェント化
・リニアライズ
・コンピュータによる最適化
リニアライズをコンピュータで行い最適化
・センサを複数使用したセンシング
必要なデータの収集のための事例紹介


S36


0.3


0.7


指 導 案
『FAセンサー活用技術』コースの各科目ごとの要点について以下に示します

教科の科目:センサの概要
センサは、大きく計測・高精度センシングに向けた検出機能重点の使い方と制御に向 けたスイッチ機能重点の使い方がされている
キ 市販図書等を見るとセンサ素子からセンサ機器までの幅広い分類をなされている (著者による。確定した分類方法はない)
ここでは、物体に接触して検出するもの(接触式)と物体に接触せずに検出するもの (非接触式)に分けて説明
キ センサを使うには、センサの使用法だけではなく、使用環境、センサの検出媒体につ いての知識を必要とする場合が多い
キ センサの確定した使用方法はない。各センサ、環境、検出対象について様々であるた め、個々のアプリケーション(事例)について、個々の検出方法が必要になる
キ 本コースでは、もっとも製品の数(メーカーから発売されている数)が多く、そのバ リエーションも多い近接センサと光電センサを中心に仕様や選定を含めた取扱い方法 について説明します

教科の科目:近接センサの取扱い
キ 原理別の近接センサの特徴やカタログの見方、センサの選定など一般的なセンサ概要 について説明する
キ 高周波発振形は金属体検出に使用し、静電容量形は誘電体(紙、ガラス等を除く)の 検出に使用
高周波発振形は検出物体の透磁率の影響がある。材質、厚さ、大きさによる検出距離 (検知距離)が変化する
キ 静電容量形は検出物体の誘電率・導電率の影響がある。材質、厚さ、大きさによる検 出距離(検知距離)が変化する。測定に不向きな環境もあり得る(水、油の舞ってい る場所など)
キ 実習で使用する近接センサ(高周波発振形、静電容量形)の仕様をカタログから参照 し説明する。特に、検出物体の大きさや厚さ、材質による検出距離の変化は不可欠。 また、応答周波数等の速度に関する事項に加え、AC仕様についてはPC(プログラ マブルコントローラ)との接続に関係して漏れ電流の概要が必要。さらには、検出環 境についての仕様(温度等)についても補足する。
キ FAセンサの検出信号をPC(プログラマブルコントローラ)やその他負荷装置に出 力する場合の接続方法については、接続パターンが決まっている。接続する負荷ごと に選定すればよい
キ 高周波発振形近接センサは磁気等の検出媒体を利用しているため、周囲に金属類があ る場合や2台以上の高周波発振形近接センサを設置する時の相互干渉、使用周囲温度 などから検出距離の変化や使用不能になる場合がある。また、静電容量形近接センサ では湿度が高い時は正確な検出ができない場合がある

教科の科目:光電センサの取扱い
キ 光電センサ全般にわたる特徴を説明する。光電センサの検出媒体は光であり反射、拡 散、透過、屈折等の特性により幅広い方法の検出が可能
透過形、回帰反射形、拡散反射形の各センサについて検出方法の違いや特徴およびそ れに応じた用途について説明する。
キ 実習で使用する光電センサの仕様をカタログから参照し説明する。応答周波数等の速 度に関する事項に加え、検出環境についての仕様(温度等)についても補足する。
特に、感度調整の考え方及び感度調整の方法について説明する。また最近では、自動 感度調整機能をもつセンサが出回っていることも補足する。
キ 一覧表を参照し、センサの選定の目安とする
キ 光電センサは光を媒体としているため、検出する環境の照度等の影響を受けやすく周 囲の状況に応じて設置方法を考慮する必要がある。また、2機以上の光電センサでの 相互干渉の解消や検出物体表面が鏡面(またはそれに近い)の場合の対処についても 説明する。

教科の科目:リニアセンサの利用方法
キ 検出物体がセンサの検出範囲に入った場合の信号変化から、アナログ信号をディジタ ル信号に変換(A/D変換)する考え方を説明する。ただし、A/D変換そのものに ついては説明しない。
キ PC(プログラマブルコントローラ)にリニアセンサを接続し、A/D変換して、制 御に利用するには、A/D変換機能をもつユニットが必要になるため、そのユニット の使い方について若干の説明をおこなう。
キ リニアセンサでは、一般にアナログ信号0~10V、4mA~20mAの値を出力す る。
キ 特に、A/D変換の際の分解能にかかわるアナログデータとディジタルデータの関係、値の範囲等については、説明が必要。

教科の科目:実習
キ 各実習手順に沿って確認する。

教科の科目:センサのインテリジェント化
・センサの今後の使用方法に関わる考察のための事例紹介
キ センサのインテリジェント化については、多様な観点から見ることができる。
センサ素子のインテリジェント化については、(半導体)素子そのものへの機能の追 加(例えば、熱変化で抵抗値が変化する等)による、センサ素子そのものの機能の複 合化または機能向上を指す
キ センシングのインテリジェント化の1つは、アナログ信号をディジタル信号に変換す る直前のアナログ信号を特定領域で線形化するためにコンピュータを利用して最適化 することを指し、もう1つは正確な結果を出すために複数のセンサにより、多種のデ ータを検出して、補正したり、制御信号としての差別化(選別信号などを作り出す) をはかることを指す。

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