教材名 自動化技術(シーケンス制御)
教材名2
教材ID 4
教材作成者名 塚田 一郎; 石垣 雄次郎; 遠藤 彰; 鈴木 良之; 多喜 敏夫; 中野 亜求了; 相澤 範幸; 三浦志樹; 若松 巧; 熊谷 英樹; 近藤 拓
教材作成日 1997-01-24
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 機械系
業種名 金属加工機械製造業
職務名 自動化技術
職務構成名 制御技術の展開
区分名 教材
職業名 機械技術者
 ・セミナー実施状況・結果報告書


イ.受講生アンケート及び感想
別紙参照

ロ.講師所見
セミナーを実施してみて感じたのは、今回は電気系指導員のみで制御機構を組んだので、トグルの動作方向に対するシリンダの取付位置など、後から考えてみると若干疑問が出てくる部分もある。このような教材は機械系指導員と電気系指導員が組んで担当することで、より良いものに変えていく必要がある。そうして組み上がったものはかなり大がかりな人目を引くものになるので、後から移動しなくてもよい部屋、ずっと出来上がったものを展示しておける部屋にてセミナーを展開できればなお良い。

また、今回は時間の関係でこちらから課題を提示したが、時間が許されるなら、機構だけを与えて自由な発想で現場をイメージして制御課題から自分で考えてもらい、指導員は考える糸口だけを提示するのが望ましい。例えば、位置決め制度を出すためには、ACサーボモータを用いて電気的に高精度を出すのか、安いモータを使用して機構によって精度を出すのかなどを考えさせ、何故この機構を選択したのか、何故この種類のモータをつけなければならないかを考えてもらい、そうして組み上がった後、何が悪かったか、生産性などを改善するためにはどうすればよいのか等々、色々な観点から討議して発表してもらうことにより、企業の望む創造性を養う人材育成に繋がるのではないかと考える。

なお、セミナー企画のアプローチ手法として、今回は制御の観点からの切り口として設定したが、他に設計からの切り口、加工からの切り口といったやり方で、どこからでも取り組んでいけるようなものを設定することにより体系づけられたセミナーが仕上がる。

ハ.セミナー改善点
初めてこの教材でセミナーを実施してみて、注意しなければならない点がいくつか判ったので、以下のように報告する。

自作メカニズムについて
・今回は1点(直進テーブル)しか使用できなかった。使用できなかった理由として今回使用した材質がアルミで非磁性体なので、マグネットベースを取り付けることができなくて、メーカのものを使用した。

・かなり場所をとるので、負荷(モータ)などを取り付ける位置を逆にできるものや機構の作りを全く反対のものを作ると配置の際、省スペースのための選択ができる。

市販教材について
・モータなどの負荷、ベルトコンベア、センサなどが多数必要。

・PCと接続するコントローラやI/Oボックスなどの入出力点数が少ないので、I/O割り付けの際、十分注意してコントローラやI/Oボックスの選定を行う。そうしないと、後々、配線のやり直しをしなければならなくなる。今回の教材づくりでは入出力点数が足りなくてかなり苦労した。

・センサの数も種類も少なかったので、ベルトコンベアに種類、大きさの異なるワークを流した場合、透過型センサ1個で検出させたため、検知する場所がワークにより微妙に異なり、ロボットで吸着させる位置がズレたりすることがあり、その調整にかなり時間をとった。本来はガイドを設けたり、何種類かのセンサを組み合わせるなどの対処をすべきである。

・一時停止回路、非常停止回路を組もうとすると、バルブにシングルソレノイドを使用しているため、電源が切れたり、一時停止させようとすると動いてしまうことがあるのでダブルソレノイドのデテント型にするなどの対処を必要とする。

授業の進め方について ・大型PC(三菱Aシリーズ)は他のセミナーやアビリティで使用していたため、小型スタンドアローンタイプのPC(三菱FXシリーズ)にて教材作りを行った。原点復帰や動作完了、非常停止、一時停止、1サイクル停止などの各種PC間の入出力を結ぶ通信は、有接点にて行った。なお今後の課題としては、PC間リンク、計算機リンクなどを用いた通信を行うなどのステップアップが考えられる。

・PCと接続するコントローラやI/Oボックスの入出力点数が少ないのでSWやLED、カウンタなどの指令入力、表示負荷などはプログラマブル表示器にて代用させるとHMI(HumanMachine Interface)機器として操作性、拡張性なども改善される。

・セミナーにおいては今回は6名ということで3グループに分け、1グループ2名で班分けを行い、自主性を尊重して、それぞれのグループでのI/O割付けを独立して行わせた。そのため、例えばある班では非常停止SWはX17を使用したり、別の班ではX7を使用したりしていたが、誤動作防止という観点からみれば、どのPCでも指令系統は同じアドレスにして統一するとわかりやすくなると考えられる。(セミナー修了後、改善済み)

・制御仕様についても全部受講生に考えてもらうのも良いが、なかなか時間も取れないため、ある程度全体のフローをこちらから提示する必要もある。ここで意志疎通がきちんとできていないと単独ではなんとか動くが、全体で動作させる際、信号の受け渡しがうまく行かず、結局時間がかかって苦労することになる。


ニ.募集状況及び受講・修了状況
   定  員:10名

   受講者数: 6名

   修了者数: 6名

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