教材名 建築CAD(MiniCad)
教材名2
教材ID 94
教材作成者名 鳥谷部 太
教材作成日 1996-05-10
改訂情報
ジャンル名 普通教材
分野名 居住系
業種名 総合建設業
職務名 建築設計
職務構成名 意匠設計
区分名 教材
職業名 建築技術者
 セミナー実施状況・結果報告書


【訓 練 コース】 建築CAD講座(前期コース,後期コース),MiniCad基礎,
          MiniCad応用,+3次元CAD
【実 施 施 設】 福山職業能力開発短期大学校
【実 施 年月日】 平成8年5月11日~平成9年12月13日
【訓 練 時 間】 24時間
【定     員】 10名
【受 講 者 数】 61名
【修 了 者 数】 61名


イ.講師所見

1.開講に至る経緯
 団体からのニーズがあり開講の計画に至った。団体窓口にこれから建築CADソフトを導入する意向がある事業主からの相談が多数あり,どんなソフトを購入するべきか,どんなことが可能であるのかという視点から指導して欲しいと要求が上がった。また事業主が直接短大に相談にこられて,その後事業主の従業員数人に対して短時間で指導するというケースもあった。
 本短大では,導入しているCADソフトは建築専用CADソフトではなく多方面で使用できるソフトであり,また,その他のソフトと連携でき多様な用途に対処できるるシステムとなっている。今回は,建築CAD現場でいかなる建築CADソフトが有利なのか,導入するべきなのかという話題を中心に一般的な見地から指導する内容をとった。
2.開校時の状況
 平成9年の状況は,定員10名とのところ多数の受講希望者があがってきた。当短大で使用できる台数が29台であるところの26名の応募者となった。実習であるため多数の受講生には,限界があると考えたが,その分をテキストで補うつもりで全員の受講を認めることとした。
 受講予定者の中に,経理を担当している方が何人か見られた。その状況は,経理にコンピュータを使用しているが,積算をするときにいちいち図面から目で個数を数えているので非常に効率が悪いということである。現場では,JW-CAD等のCADデータが事務所に送られてきており何とか資材発注の際に役立てる方法はないかということである。その業務だけのソフトを購入するのではなく,幅広く対応ができるものをと事業主からの意見があった。また,開講前からCADソフトの使用方法や作品の添削を求める声もあがり,それらの対応に時間を割くこともあった。
3.実施時の状況
 セミナー開始時は,自作テキストのかいもあって人数の割には,淡々と予定通りに進むことができた。しかしながら,CADソフト単体だけではなく,他のソフトやファイル変換をおこなうところに至ると混乱を生じるようになった。このとき理解できる方は淡々と自作テキストで進んでもらい,遅れる方だけをフォローすることに務めることができた。また,受講者の中でCADソフトを使用している現場の方からは,現在以上の利用方法が理解できたとの声もあがった。セミナーのレベル的な心配もあまり感じられなかった。
4.終了後の状況
 平成9年度のCADの能力開発セミナーは,2回に内容をわけて設定しており,1回目の利用方法を更にレベルアップするということに設定している。ある程度の能力開発セミナーの終了の状況を把握できる。現時点で2回目におこなう能力開発セミナーは,既に定員に達しており1回目の効果が予測できる。
 単に図面を描くだけのCADソフトやコンピュータの利用方法から,多様なコンピュータの利用方法が現場で求められていると考えられる。この時,専用の高額なCADソフトを購入するのではなくその予算で多種のソフトを購入し,場合に応じて使い分けられるといったところが効率的である。現場で経理担当者でCADソフトの使用方法を習得する受講生が来られたことからも推測できる。その反面,製図作業の時間短縮や省力化といった効果はあまり期待できなくなっている。現在まで力仕事であったことがファイル変換やデータの共有,プリンタの出力などコンピュータを知識とした作業に不透明さを感じることになるからである。
 今後は,単にコンピュータのCADソフトで図形を描ける,お絵かきができるといった感覚以上のレベルアップが要求されてくると考えられる。なぜなら,かつては単に文字を打てるだけのワープロソフトが現在では様々な機能が組み込まれており果たしてそれら全ての機能を利用できているかということである。現在は現場が要求していた機能がやっとソフトに備わったという状況である。他のソフトとは,操作方法が異なるだけであって要求されている機能については違いが見られない。コンピュータの技術に依存するのではなく,利用していく側の技術について整理する必要があると考える。

ロ.受講者アンケート

 セミナー実施直前のアンケート回答の結果について以下に要約します。

アンケート回答者 26人中22名

1.業務等でパソコンを使用しているか・・Yes.13名 NO.9名

2.MiniCad以外に使用しているCADソフトは・・・JW-CAD2名,STRATA1名

3.セミナー期待すること
 ・分かりやすいこと
 ・ワークスルーまで使いこなせたい
 ・他のソフトと連携した活用法
 ・中世の建築物の復元
 ・プレゼンテーションとして利用
 ・CAD導入に際しての相談

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