教材名 フォトリソ工程ワークブック
教材名2
教材ID 149
教材作成者名 寺重 隆視
教材作成日 1997-12-24
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 電気・電子系
業種名 電気・電子部品製造業
職務名 電子半導体デバイス設計
職務構成名 半導体デバイス設計
区分名 教材
職業名 電気技術者
指導案

「1.フォトリソ工程の基本」、「2.フォトリソ工程用装置」の第1回め(3時間/6時間)

所用時間(
分)
指導内容 留意点 使用機材
導入:
 自己紹介



半導体業界の動向
(時事的話題)
経歴を述べ、講師の企業等における技術
経験等を述べる。
(講師が何を知っているかを間接的に受
講者に伝える。)
学習意欲を向上させるようなタイムリー
なトピックスを話す。
OHP
半導体プロセスフロ-: 半導体工程の全体の流れを説明。
その中でフォトリソグラフィ工程はどの
ように用いられるかを説明。
(エッチングとの関連に留意して説明。
OHP
20 リソグラフィートとは:

    



     発問
リソグラフィの目的、大まかな流れにつ
いて述べる。

写真技術との関連に留意して説明。

通常の機械加工ではどのような方法を用
いるか?
リソグラフィを用いないで同じ加工結果
を得ることができるか?

新しくでてくる専門用語については概略
を易しく述べ、後に詳述する旨話す。

半導体以外の分野でリソグラフィ技術が
使われている例についても言及する。
OHP
10 リソグラフィの手順: 工程の手順についてさらに詳しく具体的
に述べる。
それぞれの工程を行う理由、各パラメー
タの値およびその根拠について言及する

使用する装置についても概略を平易に説
明する。
OHP
20

レジスト塗布装置およびベーキング装置:

スピンコート型塗布装置塗布の原理、装置の機構について述 。 回転数とレジスト膜厚の関係について述 べる。 この方法における問題点と改善策につい て述べる。 起こりうる不良について述べる。 装置に要求される特性について述べる。 装置を提供しているメーカについて(不 ロールコート型塗布装置公平にならないよう)情報を提供す ベーキングホットプレースピンコート型との比較を述べ、用 トついて言及する。構造、要求される性能、温度制御装置について述べる。

25 露光装置:







密着型:



近接型:




投影型:
露光装置の構成について説明する。
露光光源の種類と特性、スペクトルについて説明する。
アライメントの必要性を述べた上で、アライメント装置について説明する。
装置の種類が大きく3種類に大別されることを説明する。

構造をのべ、写真における「ベタ焼き」と同じであることを述べる。
長所と欠点についてのべ、その欠点を補うのが近接型であることを述べる。
構造と特徴を述べる。
実際の露光器では密着型と近接型両方の機能を兼ね備えているものがおおいことに言及する。

構造と特徴を述べる。
フォーカスと焦点深度という概念を考えなければならないことについて注意を喚起する。
ステッピング動作について原理、動作、長所について説明する。
現在の製造の主力となっていることを述べる。
OHP

ビデオ

実機
10 マスク/レチクルの作成
手作業によるマスクの設計、製作方法について、工程の流れを説明する。
CADを利用したマスク設計法について述べる。
電子ビーム露光について説明する。
レチクルの語源が潜水艦の潜望鏡の照準であることを説明をする。
OHP
10 レジストについて:
ポジ型ネガ型


レジストの反応機構
レジストにはポジ型ネガ型があること、それぞれの特徴、用途の違いについて説明する。

ネガ型、ポジ型、それぞれ代表的なレジストの反応機構について、説明する。
OHP
10 サブミクロン加工のため
のリソグラフィー技術:
露光波長と加工精度の関係について説明し、光源の短波長化が必要であることを述べる。

エキシマレーザ、X線、電子線を用いる方法について述べそれぞれの加工表面について比較する。
OHP
30 ワークブックによる演習
および質疑応答:
穴埋め式問題集による演習

机間巡視を行う。その結果、必要ならば再説明する。

質問を受ける。
OHP

ワークブッ
30 試験: 得点をフィードバックする。 試験問題

第2日め

「1.フォトリソ工程の基本」、「2.フォトリソ工程用装置」の第2回め(3時間/6時間)

所用時間(
分)
指導内容 留意点 使用機材
導入:
 自己紹介





半導体業界の動向
(時事的話題)
経歴を述べ、講師の企業等における技術経験等を述べる。
(講師が何を知っているかを間接的に受講者に伝える。)
*講師が第1回と同一の場合省略可

学習意欲を向上させるようなタイムリーなトピックスを話す。
OHP
前回の復習:

発問
半導体工程の全体の流れを復習。

フォトリソグラフィ工程とは一言でいうとどういう工程か?
(前回の講義を想起させるねらい。)
OHP
10 エッチングの方式: ウエットエッチングとドライエッチングの原理、特徴、用途について平易に解説する。
ウエットエッチングは、化学反応を利用し、エッチング形状は等方的となることドライエッチングは化学反応とイオン衝撃を利用し、エッチング形状は異方的となることを先だって述べておく。
この段階ではこれらのことは天下り的に話しておく。
新しく出てくる用語については、やさしく解説しておき、後に詳述することを話しておく。
OHP
20 ウエットエッチング:
シリコン酸化膜のエッチ
ング

シリコン窒化膜のエッ
ング







化合物半導体のエッチング



面方位依存性
チ 反応機構、用途について述べる。
バッファーについても言及する。

チ 酸化膜の場合と違って、HFではエッチングが困難なことをのべる。
エッチング液として、熱リン酸が使用できるが、レジストを変質させることをのべ、窒化膜のエッチングはウエットエッチングでは事実上困難なこと、そのためドライエッチングが発展する契機になったことを説明する。

ン ウエットエッチングの特徴として、選エッチングが可能であることを説明し、多層構造をとることが多 い化合物半導体のプロセスに有効であることを説明する。

結晶の面方位について説明し、面方位によってエッチング速度に違いが発生すること、そのことがエッチング形状に反映することを説明する。
OHP

ビデオ










30 ドライエッチング:
リアクティブイオンエ
チング(RIE)とは








プラズマについて












イオン衝撃

RIEがドライエッチングの基本形であることを述べる。ビデオ RIEは化学反応に加え、イオン衝撃がエッチングを進行させることを説明する。 エッチングガスとしてCF4をとりあげ、装置の構成、機構、操作手順を説明する。 (この段階ではまだ原理は説明しない。) プラズマとはなにか、プラズマを発生させるにはどうしたらよいかについて説明する。 CF4をプラズマ化すると何ができるかを説明する。 そのうち、ラジカル、イオン、電子の振る舞いについて説明する。 シリコン酸化膜、シリコン窒素化膜についてエッチング機構を説明する。(この辺でRIEについてのイメージが出てくるものと思われる。)イオン衝撃を起こす電界の発生原因について説明する。 シース電位、セルフバイアス電圧に加速されること、それらは電子とイオンの質量が数桁も異なること、およびブロッキングコンデンサによるチャージアップに起因することを説明する。(この部分は、講師が相当正確な物理的イメージを確立していないと、受講者を納得させる説明は困難である。 )

30

RIEのエッチング機構:発問: ウエットエッチングのエッチング機構は?

RIEのエッチング機構には、化学反応と、イオン衝撃と両方が関与していることを再確認する。冒頭、天下り的に与えた、化学反応が強く効くとすれば、ウエット エッチングの機構に近づきエッチング形 状は等方的となりアンダーカットを生ず ること、 イオン衝撃が強く効くとすればエッチン グ形状は異方的となること、について説明する。アンダーカットが問題になりうることを説明する。

RIEによる選択エッチンエッチングにおいて、下地との選択比 グエッチングレートの比)が 重要であることを説明する。この時、自分の技術的体験から、下地までオーバーエッチングしてしまい、ウエハや、それまでの工程の材料や労力が水泡に帰したことをはなし、重要性を生を訴え。 酸化膜選択のエッチングCF4でシリコンウエハ上の酸化膜をエッチングする場合を例にとって、どのような場合にこの方法をもちいるか、また酸化膜を選択的にエッチングする方法および シリコンのエッチング原理について説明する。CF4でシリコンウエハをエッチングする場合を例にとって、どのような場合にこの方法をもちいるか、その方法および原理 RIEにおいて化学反応がについて説明する。また問題点を述べ 支配的となる場合の対処。 方法発問:RIEにおいて化学反応が支配的となる場合何がまずいのか?側壁保護について説明する。土木工事でトンネルを掘る場合の「シールド工法」と対比させて説明すると効果的。冷却について説明する。 金属のエッチング化学反応は温度に大きく依存することを説明する。石鹸やシャンプーはお湯の方が落ちやすいことを例に引くと効果的 。

化合物半導体のエッ チグ

ンAlを例にとって反応ガスの選び方について説明する。またCl2でエッチングした場合の反応機構について説明する。化合物半導体の加工にドライエッチングがどのように使われているかを紹介する。ここでは、筆者が過去発表した論文を例にとって、反応ガスの探索方法、ドライエッチングの使用例を説明している。

10 改良されたRIE装置: ヘキソードRIE装置、マグネトロンRIE装置、ECRエッチング装置、プラズマアッシャーなどの装置について、受講者のレベル、反応を見ながら、適宜紹介を行う。

またヘリコン波方式、光アシストエッチングなどについても消化できると判断すれば、説明してもよい。
OHP
10 ドライエッチングの展望
ドライエッチングに影響するパラメータを説明し、今後の展望を語る。

 どのような方式であれば、どの程度の微細加工が可能かを示す。
OHP
30 ワークブックによる演習
および質疑応答:
穴埋め式問題集による演習

机間巡視を行う。その結果、必要ならば再説明する。

質問を受ける。
OHP
ワークブッ
30 試験: 得点をフィードバックする。 試験問題



※上記以外の資料(「教材」と「実技関連説明書」など)は、 こちら(ユーザ名=ユーザIDとパスワードが必要です)。
ユーザ名とは会員登録時に発行されたユーザIDを指します。
ユーザ名とパスワードをお持ちでない方は教材作成支援情報メニュー一覧から会員登録を行って下さい。