教材情報データシート

　

【教材名】 数値計算ソフト活用［MATLAB活用］

　

【記入者】 青山貴伸 　所属：中部職業能力開発促進センター

　

【教材のねらい】

　自動制御理論関係のセミナー内容は一般的に難解な内容になる．これは，システムの記述が数式中心となり，そのシステム工学的な意味合いがなかなか理解しづらいことに起因する．近年ポリテクセンター中部電気・電子系でも，制御理論関係のセミナーを展開しているが，このシステム工学的な意味合いを理解しやすいものにするため，システム方程式の挙動を視覚的に提示できるシミュレーションソフトウェアを用いて，制御理論関係セミナーの展開を行っている．

　本教材情報は当センターの制御理論系セミナーの入門的な位置付けのシミュレーションソフトウェアの取り扱いを主として開発した．使用しているソフトウェアはMATHWORKS社製のMATLAB Ver5.3R11である．このMATLABは，基本的に配列計算を行うために開発されたソフトウェアである．しかも，SimuLinkという，アドインソフトウェアと組み合わせることにより，システムのモデリングが非常に簡単にできるのが特徴である．また，主要な関数群はテキストファイル形式で提供されているので，関数の解析や拡張が非常に簡単にできるのも特徴である．そのため，企業の開発部門でも，近年かなり導入され使用されている．

下記に当センターのMATLAB関係のセミナーを示す．

　

数値計算ソフト活用［MATLAB活用］	本教材を用いたセミナー
制御理論［古典制御編］	MATLAB，SimuLinkを用いた古典制御理論のセミナー
MATLABによるDSP開発環境	MATLABとTI社DSP用ライブラリを連携させるための環境構築セミナー．ただし，現在は部外講師対応． 関連知識として，DSPが必要

　

【内容】

イントロダクション	MATLABの簡単な歴史．および特徴．
MATLAB基礎	基本的な計算方法．データ構造
関数	基本的な関数の使用法
グラフィックス	基本的な２次元および３次元用グラフィックス関数の使用例．およびHandle Graphicsの取り扱い
プログラミング	MATLABの制御構造
ファイル	データ・ファイル管理．M-ファイル（スクリプトM-ファイルおよび関数M-ファイル）
微分・積分	微分・積分関数の取り扱い
微分方程式	微分方程式の解析法
SimuLink	ブロックライブラリの取り扱い．簡単なモデルへの適用例を通してブロック図の作成方法

　

MATLABは高機能なソフトウェアであるので，今回は基本的な部分を中心に教材を開発した。

　

【作成者】 青山貴伸 　中部職業能力開発促進センター

　

【教材作成年月日】 平成１１年９月３日

　

【セミナー時間】 １２時間

　

【体系図での位置】

業　種　名：電気・電子部品製造業および機械加工製造業等

職　　　務：設計・開発

職務構成名：制御システム

　

【レベル表示】 専門Ⅱ

　

【セミナー対象者】 設計開発技術者

　

【教材形態】

開発形態	指導員開発
セミナー実施形態	技能技術習得型および創造開発型
教材の種類	自作教材（テキスト）
補助教材	The MATH WORKS Inc.MATLAB
教材開発ツール	MATLAB，MS-Office97，ペイントブラシ

　

【参考文献】

The MATH WORKS Inc.	MATLABマニュアル Release11 New Features	サイバーネットシステム
The MATH WORKS Inc.	SIMULINK Using Simulink Version 3	The MATH WORKS Inc.
小林一行	MATLABハンドブック	秀和システム
芦野隆一 Remi Vaillancourt	はやわかりMATLAB	オーム社
栗田　稔	大学への解析２　高校の微積分	現代数学社
G.J.Borse	MATLAB数値解析	オーム社