教材名 経営計画シミュレーション
教材名2
教材ID 46
教材作成者名 岡 仁
教材作成日 1997-07-01
改訂情報
ジャンル名 高度教材
分野名 情報・通信系
業種名 共通
職務名 総務・経理・その他
職務構成名 経済計画
区分名 教材
職業名 事務的職業すべて
 指導案


使用教材
「経営計画シミュレーションによる意思決定法」テキスト
財務分析・資金移動型シミュレーションソフト
資金繰表型シミュレーションソフト


指導展開法
1.経営計画の立て方 (1) 経営計画の概要 0.5
  (2) 経営計画シミュレーションとは 0.5
  (3) 製造業、販売業における経営計画
・財務数値の把握 -演習問題の企業数値を使用して説明
3
  財務諸表について
貸借対照表
損益計算書
利益処分案
(1.0)
  健全性の分析
(0.5)
  成長性の分析
(0.5)
  演習問題による分析演習ならびに解答・解説
(1.0)
  ・付加価値
付加価値の意味(加算法と減算法)
製造業における付加価値分析
非製造業における付加価値分析
演習問題ならびに解答・解説
2
(0.5)
(0.5)
(0.5)
(0.5)
  ・損益分岐点
損益分岐点分析とは
製造業における損益分岐点
演習問題ならびに解答・解説
・企業事例による検討
実在企業数社による分析事例
複数の企業間比較による分析例示
3
(0.5)
(0.5)
(1.0)
(1.0)
1)ポイント ①具体的事例を用いた方が、リアルで分かりやすくなると思われる。
ex 経営再建を行っている企業 有力なライバル企業を2社
(ただし、企業の評価、とくにマイナス評価とはならないように表現等に注意する必要あり。)
②細部の数値より統合的に捉える事の必要性など
 
2)教材を使用する場合 ①演習問題のなかの第1年度を活用して講義を進める。
・管理数値・分析数値あるいは手法を取り出して説明。
・この仮想企業では経営状況が悪化していることが、数値上からわかることを確認。
②時間的配分ならびに理解状況に応じて必要であれば第2年度、第3年度の演習も実施。
・製造業における損益分岐点分析は難しいため、より詳細な説明をおこなった方がよい。
③分析用のソフトを使って、複数企業の比較・検討。
・小売業大手 D社・I社の事例
特徴ある経営手法と財務諸表の比較
堅実的な企業と意欲的な企業
・仮想企業M社
経営が非常に悪化した企業の仮想例
④管理数値・財務分析数値に関しては詳細に説明。
・表計算ソフトによるビジュアル化の持つ説得力
・回転率と回転期間の関係については、どちらを重視するかは立場によって異なる(識者によっても異なる)ことに注意して欲しい。
管理・分析数値あるいは手法の説明

問題演習
コンピュータにより複数企業の比較検討財
務数値をリアルに理解してもらう
 


2.経営シミュレーション (1) 経営計画シミュレーション
・運転資金の回転
 資金調達を必要とする期間の考え方
・棚卸資産、製品の回転期間、売上高比例費
・季節変動

0.5

0.5
  (2) 資金管理の重要性
・資金管理の重要性
・資金繰表
・資金運用表
 演習問題ならびに解答・解説
・資金移動表
 演習問題ならびに解答・解説
 パソコンによる資金分析実例
 損益分岐点と収支分岐点
0.5

0.5
1.0

1.5

1.5
1)ポイント ①資金管理の重要性。

②回転期間を計算することによって、自己で調達すべき期間が明示される。
また、企業設立当初は資金回収期間が長くなってしまうため、結果として自己調達資金が予想以上に必要となることが多い。

③資金繰表と資金運用表・資金移動表との違いを明確にする。
資金繰表はほとんどの企業で作成されているようでが、多種の様式が存在している。

④資金繰表にくらべると資金運用表・資金移動表は理解しにくいようである。理解を困難にしている点は、作成時における修正の仕訳、例えば、費用から非資金的費用を控除することによって支出項目に変更するための仕訳などにあるようである。
 
2)教材を使用する場合 ①短期利益計画(1年以内)の作成には、一般的に使用されている自社用の資金繰予定表が有効。汎用的なツールの使用は、汎用性のために個別企業の事情に対応しにくいと思われる。しかしコンピュータを利用した汎用的なツールは、中・長期における資金状況の概略を把握するためには活用しやすい。さらに入力条件を変化させることによって、意思決定の評価についても行いやすいと思われる。

②資金移動表型のシミュレーションは、予想財務諸表の大枠を先に決めてしまうので、大きな狂いは生じにくいが月単位の細かな動きの実体はつかみにくいものとなりやすい。資金繰り表型のシミュレーションは、月単位での表示がされるため、動きをよりリアルにつかむ事ができる。しかし、積み上げ的に計算をおこなうため、基本数値のわずかな狂いが、より大きく表現されてしまう事が考えられる。
こうした事から、資金移動表型のシミュレーションは、計画全体の概略を把握するために使用する方がよいと思う。また資金繰り表的なシミュレーションでは、個別問題における意思決定が全体に与える影響の傾向を調べることができると思われる。 なお、このことは、本教材に添付されているシミュレーションソフトを使用した場合のことである。ソフトのロジックに影響される面が多いと思われるので、使用ソフトの特徴をよく把握して使用する必要がある。
 
2)教材を使用した場合 ①資金移動表型のシミュレーション
・演習問題企業の再建策を検討。
・固定資産等の売却策は最後の方法にし、利益をもっとも左右する因子と、資金収支をもっとも左右する因子を調査。(感度分析)
・利益は、利益率に影響。利益率の改善は、収益および資金を改善する。
・在庫の圧縮は、利益率に影響なし。資金の改善効果は、利益率以上にあることに注意すること。
・実務的には、在庫の圧縮は評価損あるいは廃棄損を生み出すため、収益は悪化。その反面、わずかであっても現金収入があるため、収入は逆に増加。つまり在庫の圧縮は、損益上は悪化をするが、それは財務体質を強化するための体質改善の現象であることを説明。
・「ありそうなシナリオ」「もっとも良いシナリオ」「もっとも悪いシナリオ」に分けてシミュレーションの実施をおこなうと良い。

②資金繰表型のシミュレーション
・演習問題企業は、このままでは数年後には危機的状況に陥ってしまうことを確認。
・危機打開のための設備投資プロジェクトの実施とその成功のための方策の検討。
・想定されている労務費の圧縮効果。在庫の圧縮効果。材料など製造コストの圧縮効果を検討。

③まとめとして
・経理担当者だけでなく、技術者・工場管理者のコスト削減効果の教育にも役立つものと期待できるのではないか。
・シミュレーションをおこなうことで、さまざまな改善予想を試してみることが可能。良いシナリオ、普通のシナリオ、悪いシナリオを試す事が容易にできる。
・企業収益あるいは財務体質の強化には、何がポイントになるのかという感度分析を容易におこないやすい。
・シミュレーションは、ある一定の条件下での予想であり、実際にはこの通りにはならないことに気をつける必要があると思う。あくまでも、現状からみた財務的な傾向を示しているという事である。
・経済性工学など採算性を検討するための他の手法とあわせて検討することがより効果的と思われる。
 

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