教材ID |
50 |
教材作成者名 |
恩田 邦夫 |
教材作成日 |
1998-01-01 |
改訂情報 |
平成10年1月 (最終更新) |
ジャンル名 |
高度教材 |
分野名 |
情報・通信系 |
業種名 |
製造業全般 |
職務名 |
生産管理 |
職務構成名 |
生産管理の進め方 |
区分名 |
教材 |
職業名 |
管理的職業すべて |
イ.使用機材・資材一覧
- ・講義用テキスト (教材情報として提供)
- ・実習用テキスト (教材情報として提供)
- ・OHP教材 (セミナーで実際に使用したものがあるが、現在テキストに合わせて改訂中であり、今回は提供しない)
- ・表計算ソフト(Lotus「1-2-3」-97)
ロ.訓練事前準備項目
- (1) ・受講者の勤務先企業の製造品目と生産形態(『生産システムと生産管理』参照)
- ・受講者の職務内容、勤務経歴(職位)
- ・セミナー受講の動機などを、事前に調査(セミナー開講当初でもよいが、事前の方が準備期間が多くとれる)しておくと、講義中の受講者との対話が行いやすくなる。
- 【『能力開発セミナーアンケート調査(予備調査)』参照】
(2) (1)の結果、受講者の業種、業務内容が同じ者をグループ化しておくと、討論などを行う場合便利である(同じような問題を抱えている場合が多い)。また、受講者に関連しそうな新聞・雑誌の記事や調査資料を提供すると喜ばれる。(普段から、こうした記事の収集を心がけておく)
ハ.訓練項目、時間、指導の要点
24時間コース(4日間)で行う場合の指導案を示す。
【時間割】
【指導の要点】
自社の情報化にあたっては、先ず、その目的と対象を明確にすることが重要である。
一方、受講者は当初から問題意識を持ってセミナーに臨む者ばかりではないことが多い。従って、本セミナーでは、先ず、受講者に「自社の(あるいは自分が関わる)業務のどこに問題があるのか」を再認識してもらい、次いで、情報化の対象や目的、手段を明確化していくというステップとなる。
講義内容は、講師(筆者)が「現場経験」に乏しいために「一般論」とならざるを得ない面もあるが、「あるべき姿」としてこれを示し、受講者の知る自社の現状業務と比較させることによって、問題点を明確化し、改善策を討議する、という展開とする。セミナー全体を通して、「テキスト」の内容を講義した後、「あなたの会社ではどうか」といった問いかけを行い、一方的な講義とならないよう心がける。
以下に、各単元の講義時間の目安と指導の要点を示す。詳細は、各単元の目次を参照されたい。
(1日目 午前)
【開講のあいさつ】 (20分 受講者数10名の場合)
- ・講師自己紹介 (氏名、所属、専門分野)
- ・受講者自己紹介(氏名、所属、現在の職務内容、セミナー受講の目的等)
【総論】 (30分)
- ・本セミナーの目的(目標)
- ・セミナーの日程と内容の概略説明
【企業と生産現場の情報化の背景】 (60分)
<指導の要点>
- ・企業を取り巻く経営環境、リストラ、CEと情報化との関連を説明する。
- ・製造業における情報化の背景と動向、特にEC,CALSについて説明する。
- ・これらを背景として、LANやイントラネットを導入することの目的・意義を説明する。
【自社内情報システム構築の考え方】 (60分)
<指導の要点>
- ・自社内の情報化を進める上で、「目的の明確化」「人材育成」「段階的推進」などが重要であることを強調する。
- ・事業団施設が、人材育成や技術相談などのパートナーとなることも宣伝しておく。
※途中で休憩を入れ、その前に「アンケート調査用紙」を配布し、休憩中記入してもらい、昼食休憩後回収する。
演習で使用する表計算ソフトについて、習熟度を受講者別に把握しておく。
(1日目 午後)
【LAN環境構築の基礎知識】 (90分)
<指導の要点>
- ・LANの基礎知識、LANの基本構成などを説明する。この際、LAN構築に必要な装置(ケーブル、トランシーバ、LANボードなど)の実物を見せながら説明するとよい。
【パソコンLAN構築実習】 (90分)
<指導の要点>
- ・パソコン、HUB、ケーブルを用意し、接続する(20~30分程度)。
- ・その後、ネットワーク環境の設定、ファイル共有、プリンタ共有など簡単なネットワークサービスの設定を実習する。設定項目の方法だけでなく、その意味を理解させること。
- ・可能であれば、施設におけるネットワークの業務活用の例を見せるとよい。
(電子メール、グループウェア、WWW等)
(2日目 午前)
【生産システムと生産管理】 (90分)
<指導の要点>
- ・「品質向上」「原価低減」「納期厳守」の重要性を再認識させる。
- ・自社の生産形態・生産方式の特徴を知り、生産管理面での要点項目を理解させる。
- ・今日の生産管理の要点であるJIT、POP(製造時点管理)の重要性を説明し、そのためにLANがインフラとなることを強調する。
【受注管理システム】 (90分)
<指導の要点>
- ・営業(販売)部門と、製造部門(工場)との接点となる受注管理部門では、関連部門との情報伝達の迅速化、情報の共有化が特に重要であることを強調する。
- ・CE(協調作業)とデータベースやLANとの関連を説明する。
- ・受講者が、データベースに関して知識がない場合には、概論的な説明のための資料を別途用意する。
- ・各受講者に、自社での受注管理の実態(部門や業務形態など)を再認識させる。
(2日目 午後)
【生産計画システム】 (90分)
<指導の要点>
・生産計画システムの機能を説明する。
・見込生産における需要予測の重要性を説明し、その実際を表計算ソフトで実習する。受講者が、表計算ソフトの操作に習熟している場合、簡単な演習問題を与え、未経験の場合には、講師が操作の実演をするのにとどめる。
(本セミナーは、「表計算ソフトの操作法」を学ぶためのものではないので、操作や機能説明は最小限にとどめる)
※受講者の所属企業が、個別受注生産、短納期生産である場合には、長期的な生産計画業務が行われていない場合が多いので、受講者に確認後、講義を短縮あるいは割愛してよい。
【資材所要量計画システム】 (90分)
<指導の要点>
- ・資材所要量計画(MRP)の機能を説明する。
- ・MRPの重要性を、製造コストの低減やJITと関連して説明する。
- ・MRPの難しさが、在庫やリードタイムを考慮した先行計算にあることを、表計算ソフトによる実習により説明する。
- ・材料計画は、生産形態が、組立生産か進行生産かにより逆になるので、受講者の所属企業の生産形態を把握しておく。
- ・各受講者に、自社でのMRPの実態(部門や業務形態など)を再認識させる。
※設計部門が行っているケースもある。
(3日目 午前)
【在庫管理システム】 (180分)
<指導の要点>
- ・在庫管理の機能を説明する。
- ・在庫管理の要点も生産形態により異なるので、自社の生産形態をよく認識させる。
- ・特に組立生産型の企業では、部品在庫点数が多く、これに比例して不良在庫を抱えているケースが見られ、受講者の問題意識でも「在庫管理」は筆頭にあげられる。各企業(受講者)から問題や改善策を事例として提示してもらい、これを基に全体で討論を行うなどの展開も考えられる。
- ・在庫部品の発注管理方式として、定期発注、定量発注方式を説明する。
- ・本セミナーでは使用していないが、在庫管理用の業務ソフトが発売されており、このようなソフトを用いた実習も効果的と思われる。
(3日目 午後)
【製造工程管理システム】 (180分)
<指導の要点>
- ・製造工程管理の機能を説明する。
- ・製造工程管理は、計画、作業指示、報告・進捗管理などへのコンピュータ活用の期待度が高い。しかし、特に中小企業では、これらの業務への人的依存度が高く、具体的方策がなかなか見いだせない部分でもある。
- ・これも在庫管理同様、受講者から個別の問題点や、成功例などを提示してもらい全体討論を行うなどの展開が考えられる。
- ・但し、講師側も多くの事例を知識として持ち、臨機応変に助言できないと討論が成り立たない。普段から企業訪問などによって、事例を収集しておく必要がある。
(4日目 午前)
【購買・外注管理システム】 (90分)
<指導の要点>
- ・購買・外注管理の機能を説明する。
- ・購買外注管理では、外部企業との間で、設計図面や受発注関連の伝票などの授受が生じるため、これらの情報の電子ファイル化、書式の共通化や情報伝達のためのインフラ整備が期待される業務部門であることを強調する。
- ・電話・郵便→ファクシミリ→WAN→イントラネットという発展段階があり、自社の現状と次のステップアップの方向性を示すとともに、技術的な助言もできるとよい。実際、通信料金やプロバイダの選択なども含めた、かなり具体的な質問を受けたこともあり、これも事例研究が欠かせない。
【原価管理システム】 (180分) (昼休みをはさんで)
<指導の要点>
- ・原価管理は、計算を主とする部分は「財務・経理部門」の業務であるが、最近、「製造現場」に対しても「原価意識」が求められるようになってきており、細かな計算方法はさておき、原価決定のしくみ、原価低減への製造現場の役割などを中心に説明する。
- ・特に、原材料費を含む製造原価の低減効果は、売上増のための営業努力の数倍の効果をもたらすことを示し、自社(自分の)周囲のムダの発見と解消に意識を向けさせることがねらいとなる。
- ・これも、受講者からの発言を引き出してみるとよい。
(4日目 午後)
【自社内業務の現状分析、討論、まとめ】 (90分)
・チェックシートにより、自社内(受講者自身の)業務の簡単な現状分析を行う。
【『業務分析シート』参照】
- ・具体的な問題は受講者個々に異なり、セミナーの時間帯の中では対応できないので、「事業内援助」などで個別に相談に応じることを告げる。
- ・受講者から全体的な感想を述べてもらう。
- ・アンケート調査用紙【『能力開発セミナーアンケート調査(修了後)』】に記入してもらう。
- ・「修了証」の交付。
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